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遠吠えは届かない
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新・アクション用フォーマット
※件名にPC名を入れてください
==========

件名:【PBW】(PC名) 例)【PBW】(山田太郎)

本文――――――――――

【ハンドル名】
【キャラクター名】
【アクション概要(200文字まで)】
【アクション(500文字まで)】

本文ここまで―――――――

アクション送付先
bakuryouchou★gmail.com
(★を@に変えてください)

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第4回リアクションが終了しました。
リテイクが必要な箇所がある場合は、メールかコメント欄でご連絡ください。

リテイク受付は10月末日まで。
第5回(最終)アクション受付期間は11月1日~11月30日です。


最終ターンに向けて

Q.今のところ外に出られたのは誰?
A.明染希は確定。他のメンバーも脱出しているみたいです。が、特に描写がないPCは中で右往左往or援護などのアクションを出してもらってOKです。

Q.結局アリシアは敵側の人?
A.違うみたいです。完全に記憶喪失です。

Q.ディラックって本当にただの人?
A.ただのおっさんです。

Q.バネットってどうなの? なんか態度が変わってるみたいだけど?
A.女心と秋の空。案外小黒にほれてしまったなんてこともあるのかもしれません。という冗談はさておき、小黒と話したことは本当のことみたいです。

Q.闇はどうなってしまったの?
A.5段階の能力値で精神の値が呉杏柚と同値でしたが、アクセラ効果でわずかに杏柚が上回りました。よって今は相当消耗しているようです。人間か闇の姿かどうかは、より安定した姿をとっていると思われます。

Q.呉杏柚のような職員はどこから来たの?
A.ヘッドハンティングや一般募集など。記憶の操作はありません。無理やり連れてこられた人もいないみたいです。でも内部事情に詳しくなると簡単に辞めさせてはもらえないでしょう。

――明染 希とトランスポートの作戦

各自の得た情報は各々『共有してもいい、するべきだ』と考えられたものが共有されている。
「セキュリティ室を占拠するよ」
希が皆を見据えて言った。
「私の作戦はこう」

――――

「最近になってまた脱出を企てる者が出始めたそうよ。セキュリティを解除して保守点検してちょうだい」
深夜、セキュリティ室に現れたバネットが唐突に警備責任者に言い放った。
「今ですか? 所長からは何も言われていませんが」
怪訝な顔をする男性警備員。
「今よ。悠長に予定を立てていたんじゃ収容者に『はいどうぞ今ですよ』と言っているようなものだわ」
いらだたしげに髪を掻き揚げるバネット。
警備員が二人、鍵を同時に回すと赤いランプが灯った。
「次に、今から言う番号のドアを開けてちょうだい」
「開けるんですか?」
「何度も言わせないで」
警備員は訝しげに、しかし彼女の言葉には逆らえないのか、言われた部屋のドアのロックを解除した。

――――

レナの枕元にいたトカゲがくるくると回転した。
扉に手をかけると、ロックが外れていた。
レナは靴を手に、足音を立てないように靴下のままくらい廊下を走っていった。
他の仲間も同じことをしている頃だろう。

――――

数分後、セキュリティ室に息を切らせたケンイチが走りこんできた。手にはグロック。
「バネットさん?」
「急いできてもらったところに悪いんだけど」
現状を把握できていない警備員を完全に無視して、バネット――鏡の能力で作られたコピー――が、トランスポートから受け取った紙切れをケンイチに渡した。
「恐ろしい『闇』からのメッセージです」
右手にグロックを持ったまま、ケンイチは震える指で手紙を開いた。
――『闇はただ傍観するのみ』
「闇はあなたを見ている‥‥」
バネットの姿をした鏡が畳み掛ける。
ケンイチの手から安全装置を外したグロックが滑り落ち、床に落ちて暴発した。思わず頭を抱え身を縮ませる警備員。
「‥‥ばかばかしい、誰の発案だこれ」
手紙をビリビリと破り捨てるケンイチから、普段の優しげで気の小さそうな雰囲気は消えていた。
「ケンイチに銃? 猫に小判だろうが!」
床に落ちたグロックを一瞥すると、ケンイチ――ケンジはESPで椅子や机を吹き飛ばし、それを警備員たちにぶつけた。
「で、何だこりゃ」
「こういう作戦です、ケンジさん」
バネットのコピーが無造作に床に転がったまま動かない警備員たちを見渡して、言った。

――――

計画では食料運搬口のロックがはずれ、そこから外に出られるはずだった。
皆自分の部屋から抜け出し、食料運搬口を目指す。監視カメラもすべて切られているはずなので当然警報は鳴らない。警備員はケンジに伸されていることだろう。
それぞれがテローネに渡されたトカゲの動きに従い、状況を判断する手はずだ。
「ロック解除‥‥されてるっ」
希が扉を開けると、そこから夜の冷たい風が吹き込んできた。外の世界だ。
「レナお願い!」
「オッケー!」
レナが希を背負い、空高く飛び上がった。
「空ぁー! でも着地点の計算とか無理! 希に任せた!」
レナの足が届く場所に、希があらかじめ用意しておいた布を空中に固定する。それを足がかりに、レナは丘の下へと空中散歩で下りて行った。
丘の下まで飛んで、ある程度施設から離れたところまでくると、レナは地面に下りて希を降ろした。
「希はここにいて。私は戻ってみんなを連れてくればいいんだよね」
レナは、空中に置かれたままの布を踏み台にして飛びながら施設へと戻っていった。自力で外に出た者も、安全な場所まで運ばなければならない。特に見つかる可能性の高い制圧組はレナとトランスポートがつれて逃げる必要があった。

バネットをコピーして怪しまれない姿の鏡と力のあるケンジがセキュリティ室を占拠、その隙にロックを解除して他の者が脱出するというのが希の計画だった。
ケンジの登場は、ケンイチが恐れる『闇』からのメッセージを利用したトランスポートの案だ。

――――

「アリシア? どこなの?」
施設に戻ったレナは、アリシアを探していた。どこにもいない。

――――

「バネット! バネットはどこだ!」
同じ頃、所長室でセキュリティ室の異常に気付き声を荒げるディラックがいた。
「はい、お父様」
「セキュリティに異常だ! 連中の仕業か?」
「はい、はじまりました。テストの最終段階です」
落ち着きなくまくし立てるディラックに対して、バネットは冷静に答えを返した。

――――

「君は行かなくていいの?」
医務室の薄明かりの中、ウラジーミル・リヤトニコフ医師がアリシアに問いかけた。
「私が行くと足手まといになるもの」
アリシアはガラス越しに外を眺めながら、静かにつぶやいた。
 ――ヘルツの場合

ヘルツはコウモリの姿でこっそり娯楽室に侵入し、会議に参加していた。
そこで情報を共有したヘルツの取った行動は‥‥

「エアダクトから外の様子を見てくる」
夜を待って、ヘルツはレナにそう告げた。
「もし作戦がダメになりそうなら、ヘルツだけでもそこから逃げて」
「今更馬鹿なことを」
レナの心配をヘルツは一笑に付した。レナの血をもらい、自身と力に満ち溢れている今の自分ならばテストが事実であろうとその先に何が待ち受けていようと、それを打ち破り外の世界へ行くことができると彼は思っていた。

ヘルツはテローネのトカゲが集めた監視カメラの位置を頭に叩き込み、死角を飛んでエアダクトから外へ抜けた。正真正銘、外の世界だ。
そこは、高い塀に囲まれた中庭だった。人のにおいはしない。おそらくここにはほとんど人がくることはないのだろう。塀はつるりとしたコンクリートでできていた。手や足をかける場所はない。人間がここを伝って下りることは難しいだろう。
庭の隅には倉庫があった。鍵がかかっていない。ヘルツは一時人間の姿に戻り扉を開け、中を見渡した。銃器の類が並んでいる銃架には鍵がかかっていなかった。これではさも取って下さいと言わんばかりだ。
テストならば、これを使えということか? この武器があれば戦闘能力がない者でも戦える。
さらにヘルツはコウモリの姿で塀の外に抜け、施設全体を見渡せる場所まで飛んだ。
施設は、小高い丘の上にあった。
施設まで伸びているらしい細い道を除けば、鬱蒼と木が生い茂る森の中だった。森の中の丘、これは施設を一般の目から遠ざけるには好都合の場所なのだろう。食料などの物資は細い道一本から供給されているはずだ。

ヘルツは自分が集めた情報を皆に伝えるべく、深い闇の中を飛んでいった。
 ――レナとアリシア

「ちょっと待ってよ、わからないよそんなこと」
アリシアは驚きを隠せなかった。ケンイチの情報によると、アリシアはバネットというこの施設の職員である女性と双子の姉妹である。そのことを告げられたからだ。
「驚かれるのも無理はありません、しかし、確かに彼女がそう言いました。そして彼女はアリシアさんにとてもよく似ていた。髪型さえ同じならば、瓜二つといっても過言ではないと思います」
ケンイチはつまらない冗談を言う男ではなかった。ましてやこんなに重大なことだ。
「ケンイチ‥‥いや、あの時はケンジか。俺がいなきゃどうなってたことやら。しかし、二人がそっくりだということは間違いねーな」
ケンイチがバネットからそのことを聞いた直後に現れた小黒もそう証言する。
「バネットさんの言うことが本当ならば、これはアリシアさんが記憶をとりもどす手がかりにならないでしょうか? それに立場は違えど血のつながった肉親です、実の妹さんがすぐそばにいるんですよ」
ケンイチは彼女が記憶をとりもどせればいいと、純粋にそれだけを思っていた。
しかし、他の仲間たちは別のことも考えていた。
――アリシアは、本当に私たちの仲間なのか?
彼女を疑うのは無理もない。バネットはこの施設の中枢に関わる人間で、鏡やトランスポートの話によれば『テスト』というものの中心にいる人物なのだ。
「ねえレナ、どう思う? 私は何のためにここにいるんだろう?」
すがるようにアリシアはレナの腕を取った。
「バネットって人が何かたくらんでるんだよ、アリシアを利用してるのかもしれない。そうじゃなきゃ実の姉をこんな場所に閉じ込めておこうなんてしないもの。何とかして助けようとするはずだわ」
レナはそう言ってアリシアをなだめた。
「私もそう思います。バネットさんには何か考えがあるのでしょう。でもそれが何かはわかりません」
ケンイチも同意する。
鏡はじっとアリシアの様子を見ていた。敵意はない。あるのは強い動揺。それは『嘘』からくるものではなく、純粋な『動揺』。鏡は少なくとも今のアリシアは『白』であると考えた。しかし彼女の意識しないところで何かが働いているという可能性も捨てきれない。
テローネはアリシアが『マグナ・マーテル』のような能力で作り出されたものではないかと考えていた。アリシアを通じて情報を入手するため。でもそれならばなぜわざわざ自分に似せたものを作ったのか。
つまるところ、みんなが動揺していた。なぜここにバネットの姉が、なぜアリシアの妹がテストを取り仕切っているのか? アリシアを信じていいのか?
アリシアへの疑心暗鬼の渦。
「まあ心配することないですよ、アリシアさんは俺が守りますから!」
アリシアの肩をがっしりと抱く、この男‥‥小黒(シャオヘイ)を除いて。
「そ、そうだよ! アリシアは私の友達だし! 誰が姉妹とかそんなことは関係ないよ!」
あまりにも接近しすぎている小黒とせめぎあいながら、レナもアリシアの肩に腕を掛けた。
「私、私いないほうがいいのかな‥‥みんなの足かせになりたくないよ‥‥」
アリシアがうつむきながらポツリとつぶやいた。
「そんなこと全然ない! アリシアさんがいないと俺が死んじゃう!」
「ちょっと小黒! さっきは『俺が守る』って言ったじゃない! あと、もうちょっと離れなさいよぉ~このナンパ男‥‥」
小黒とレナが腕をつかみ合って押し合いへしあいする。その様子を見て、誰となく誰かがクスクスと笑った。アリシアも顔を上げて少し笑った。鉛のようになってしまっていた空気が、少しだけ軽くなった。
「そうそう、女の子は笑ってる顔が一番かわいい!」
レナをいなしながら小黒が言った。彼なりの気遣いだったのかもしれない。
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